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金城 傑 (調査研究委員会 委員長) 2005.0530 |
![]() 去った4月20、21日の両日、コンクリートの技術革新を訴え、全国の各地で指導を重ねておられる岩瀬文夫氏( 総合コンクリートサービス代表)を講師にお迎えし、技術講習会を開催致しました。 ほとんどの建築物を鉄筋コンクリート造で施工する我々県内技術者にとって、大変興味深いテーマであった事から、受講申し込みが殺到し講習会開催前に受付けを締め切る状態となりました。 さて、岩瀬氏はコンクリート主任技士でもあり、コンクリートに関して誰よりも豊富な知識を持っておられるばかりか様々な経験をお持ちであります。医学用語的に言えば、数多くの事項を臨床実験済みです。そのため講義内容の中に、これまでの常識を その中のいくつかをご紹介しますと、 スランプを12p以下、単位水量を170s/m3以下とする ・口径50oのバイブレーターの活用 ・雨の日は、絶好のコンクリート打設日和 ・コンクリート硬化中に再振動を行う ・打設に邪魔なスペーサーはできるだけ省く ・型枠脱型後はビニールで覆い、中の水分を逃がさない様にする ・本来のコンクリートは白色ではなく、黒光りする ・最終目標は、コンクリート表面をガラス質に仕上げる事 等々、示唆に富み、興味深い、中身の濃い内容の連続で、会場一杯の受講者の方々(約220名)も、 一日講習会にも関わらず、最後まで真剣に受講されていました。 4月21日は、士会会員の施工中の現場(那覇市新都心在)を活用し、実践を通しての打設実習を行いました。前日の講習会に引き続き、熱弁を振るう岩瀬氏の指導を得て、まさに“目からウロコのコンクリートの常識”の技術を学ぶ事ができました。 3日後に型枠を脱型した結果、講義通り御影石を連想させる密実なコンクリート表面を確認する事ができましたが、現在は湿潤養生(ガラス質にする為の重要な作業)を施し、より上質なコンクリート表面の完成を待っているところです。 さて、現在、決して寿命の長い上質のコンクリートを施工しているとは言えない県内の建築物を鑑みると、“コンクリートはひび割れるもの”と決め付け、あきらめている風潮があります。しかし高耐久コンクリートの建築物の構築が実現できれば、県民の経済負担を減らし、長期間愛される文化的資産の形成が可能になります。そして、その方向を目指す事は我々技術者の使命ではないかと思います。 前回受講できなかった方々やステップアップを図りたい前回参加者の要望も踏まえ、再度の講習会の開催を委員会でも検討中ですが、ご意見等を委員会や事務局まで寄せていただければ幸いです。 最後に、受講者の方々を始め共催団体並びに関係各位にあらためて厚く御礼申し上げます。 |